間違った方向性の反骨精神が強い方は
自分への承認欲が高すぎて、相手を一切認められなくなる傾向がある と
メッセージ③でお話ししました。
SNSなどで自己主張しなければ勝ち残れない世の中ですが、それが高じると
自分が成長し一番になる というより 相手を蹴落として自分が一番になる ことを願うようになる。
気づくと、周りの人すべてがライバルになっている。
往々にして、減点主義の組織の長に見られるタイプで、常に相手のアラを見ようとしてしまう。
テストで98点取っても、
「すごい!98点も取ったんだ。」という声掛けより、「なんで2点も間違えたのか?!」と
叱責するタイプ。 (完璧主義とは少し違う)
こうなると、権限とポジションパワーだけで人を従えていくようになる。
本人は、一声かけるだけでメンバーが服従する「こわもて」でいることが快感になってくる。
しかし、真の意味で、人がくっついてこない、人に慕われない。
そして、メンバーのモチベーションが上がらない。
「このリーダーのためにもっと頑張ろう」とはならない。
メンバーも「2点のミス」で叱責されるのが怖くなるから
指示されたことはやるが、新たなことは絶対にやらなくなる。
さらには、指示されたことを完璧にやろうとしてしまい、細かすぎる資料の作成など
目的を逸した仕事に時間をかけてしまう。すべてその上長の評価を得るための行動が優先される。
指示したことだけは「完璧」だから、この「こわもて」上長は満足する。
そしてこの上長を評価する組織も満足し、
上長はさらに「できる人」となりさらに高いポジションを獲得する。
陰で、『ワンマン』という評判はたつのでしょうが、ポジションが上にあるために、もう誰も何も言えなくなる。
そして、最悪の事態、いつしか、組織と人が崩壊している。
一見すると、高い成果達成意欲の表れと思われる反骨精神は
実はすべて「自分だけの満足」 のためだけに注がれているという
間違った方向性の反骨精神の典型例。
こういったケース、決してレアケースではなく、身近に起こっているのではないでしょうか?
何も、ミスに寛容になれ ということではない。 ミスした事象よりも、できた事象に目を向ける
そういうリーダーこそが人とチームのモチベーションを上げて、より高いパフォーマンスを実現する。
もしかして、これからはリーダーを選出するときに、単純に、戦略眼はあるか、論理力はあるか、
行動力はあるか、語学力はあるか
といった「その人ができる人かどうか」という視点よりも
「他人を認めて、モチベーションを上げていけるか」という視点に重きを置いて
判断したほうがいいのかもしれません。
・・・来週から始まる リーダー養成研修、その視点の重要性を訴えていこうかと。
みんなの能力を高めていける「お山の大将」になりたい!
(写真は 徳島県のやまがわち直売広場 より)